はいどうも、ミニマル( @minimal005)です。
ネットで恐ろしく評価が良かったので、「十三機兵防衛圏」というゲームを購入してクリアしました!
トロコンまで終わったので丁寧にレビュー&感想を語っていきます。
最初に言うと、私の評価は惜しい神ゲーですね。超絶面白いので、PS4を持っているなら最優先して遊ぶべきゲームです。
ストーリーのネタバレには厳重に注意しますが、良い点・悪い点は正直に書きます。
微バレは含むのでご了承下さい。

写真多めで分かりやすくレビューします!
目次
十三機兵防衛圏はどんなゲーム?

前置きとしてゲームの概要を簡単に紹介します。
十三機兵防衛圏は「オーディンスフィア」「朧村正」「ドラゴンズクラウン」などで有名なヴァニラウェアが制作したドラマチックアドベンチャーゲーム。
どのゲームも絵本が動いているような繊細なグラフィック、情緒あるシナリオが特徴的。
おとぎ話や神話をベースとしたファンタジー世界が多く、その独自の雰囲気には固定ファンが多数います。
本作は架空の日本が舞台。SF要素が入っているため、ヴァニラウェアには新しい試みです。13人の少年少女が機兵に搭乗して、侵略者の怪獣と戦う物語です。
星のカービィやスマブラを手がける桜井政博さんが「唯一無二」「ゲームシナリオを書こうという人なら全員プレイすべき」と絶賛しています。
ネットでも軒並み高評価のゲームです。
十三機兵防衛圏の本編は3つに分かれる

十三機兵防衛圏の本編は13人のシナリオを楽しむ「追想篇」、今までに判明したことを復習できる「究明編」、拠点防衛の戦闘を行う「崩壊編」の3つに分かれています。
シナリオと戦闘が独立しているので、「シナリオ→戦闘→シナリオ→戦闘」のように決められた順番で進める必要はありません。
ただし1人のシナリオを一定以上進めるとロックされて、条件として「他の主人公の一定以上の進行度」「崩壊編の進行度」などを要求されます。
他の主人公のシナリオや戦闘をバランスよく遊ぶことで、徐々に全体のシナリオが理解できる仕組みです。
群像劇が好きな人にはたまらないですね。
追想編

追想編は13人の主人公から1人を選択してシナリオを楽しむモード。
最初は1人しか選べませんが、シナリオを進めていると他の主人公のシナリオがアンロックされて選択できるようになります。
13人の主人公は複数の時代に生きています。しかも違う時代にワープしながら進行していくので、最初はシナリオが把握しづらい仕組みです。
しかし他の主人公視点から見ることで事実が判明していき、シナリオは恐ろしく深い内容と分かります。

シナリオが気になり過ぎて1日に15時間遊びました…

シナリオは各主人公ごとに複数に分岐していくアドベンチャーゲームのようなシステムを採用しています。
指定された箇所ならいつでも分岐前に戻ることが可能で、最初からやり直す手間はありません。自分のペースで好きに進めて、後から戻っても大丈夫です。
同じイベントで何回も見るので少し面倒かもしれませんが、一度見た場面は倍速再生ができる親切設計になっています。これはかなりありがたかったです。

割と序盤のシーン。主人公の一人が怪獣に侵略された世界に、他の時代から移動してきました。
明らかにシリアスな場面ですが、怪獣や機兵、左の女性など、謎が多過ぎてこの時点では状況が分かりません。プレイヤーも主人公も頭の整理が追いつかない…
でも理解できなくて大丈夫です。

どの時代で何が起こってる…?
主人公が13人、時代を移動する、断片的に話を見ていくのでシナリオは複雑。しかし他の主人公の視点で見て、究明編で事実を整理すると徐々に理解できるようになるんですよね。
「あの時のシーンがここに繋がるのか!」みたいな発見が面白いです。
圧倒的謎の多さ、事実が判明していくバランスが緻密に調整されていて、続きが気になってしょうがない最高のシナリオができています。

徐々に判明していく重厚なシナリオは必見!

第二次世界大戦前の軍人も主人公。過去、現代、未来の様々な時代の個性的なキャラや美しい背景がこのゲームの魅力です。
本当にどの主人公のシナリオも良くて、私は13人全員が好きになりました。普通何人かは微妙なキャラがいるものですが、このゲームのシナリオは凄すぎる。
過去の時代に生きていたキャラが現代に飛ばされて状況に混乱するシーン、現代のご飯の美味しさに感動するシーンなど、タイムワープものでは定番ですが、やはり面白いです…
逆に未来から来た主人公がスマホの無い世界を不便に感じるのは誰もが共感できるはず。
確かに数十年前の世界とか不便過ぎて困りそう…

少年少女が活躍するだけあって恋愛シーンはわりと多め。記憶が混乱している主人公との恋愛模様は熱い!
恋愛感情で行動する主人公も割といるので、恋愛はこのゲームにとって重要な要素ですね。しかもシナリオの進行を妨げないくらいの丁度良いバランスで含まれています。
中には男と男の恋愛というギャグ混じりの恋愛もありますが、不快感を感じるものではないので大丈夫です。
むしろかなり面白いシーンで、私はめっちゃ好きなシナリオです。ホモ要素まで入れる器の広さに感激。しかもゲームは高評価って凄過ぎる。

時代を超えた恋愛もこのゲームの魅力!

平穏な女子高生の日常シーンを楽しめるのもポイント。シリアスなシナリオの良い緩和剤となっていて、めっちゃ和む…
ヴァニラウェアのゲームはどれもメシの描写にこだわっているんですよね。通称「ヴァニラめし」。本作も美味しそうなメシがたくさん登場します。
肉まん、ハンバーグ、ホットドッグ、アイスクリーム、クレープ、お弁当など、遊んでいてお腹が空くレベル。この綺麗なグラフィックでぬるぬる動くのが凄い。
何気ないメシに全力を出す余裕が素晴らしい。こういうネタ要素がゲームを好きにさせてくれる要因だったりします。マジで!

ヴァニラめしでファンになった人も多い

購買で買った焼きそばパンを食べるシーン。この焼きそばパン野郎のシナリオはギャグパート的存在です。
13人全員がシリアスなシナリオだと疲れるので、こういう主人公がいるのはめっちゃ嬉しい。
他のキャラを「焼きそばパンの君」と呼んだり、貰ったお金で焼きそばパンをたくさん買って食べまくったり、この主人公のシナリオが面白過ぎます。
私も影響されて焼きそばパンを食べながら遊んでいました!
崩壊編

崩壊編は2分間の間怪獣の進行を防ぐという戦闘モード。敵を全滅、ボスキャラを倒すことでも戦闘は終了します。
戦闘はシミュレーションゲームのシステムを採用。RTS(俯瞰視点でリアルタイムに進むシステム)にかなり近いですが、コマンドを選んでいる時は時間が止まります。
おかげで焦らずプレイできますし、難易度も選択可能なので初心者にも優しいです。
機兵に搭乗する時は全裸なので、会話シーンは地味にエロいかも…

戦闘を始める前に、13人の主人公の中から操作する6人を選択することが可能です。
ここで選ばなかった主人公も戦闘に参加して、自動で拠点を防衛してくれます。
主人たちが搭乗する機兵は予め決まっていて、能力が異なる4種類があります。以下の通りです。
- 第一世代機兵(近接格闘型)
- 第二世代機兵(バランス型)
- 第三世代機兵(遠距離型)
- 第四世代機兵(飛行支援型)
名前の通りそれぞれの場面に適した機兵を操作して戦況を有利に展開していきます。
第一世代機兵は体力が高い敵に近づいて近接で一気に削る。第三世代機兵は数が多い雑魚敵を遠距離から範囲攻撃で一気に倒す。
第四世代機兵は近接キャラにバリアを張って、味方を守るなどのサポート、みたいな感じですね。
第二世代機兵は器用貧乏でちょっと扱いにくいところがありますが、囮を出して敵を誘導することが唯一可能です。
拠点や味方を守るのに重宝しますし、敵を一箇所に集めて範囲攻撃で倒す時にも便利です。どの機兵も活躍の場があるのは良いですね。
戦闘の良い点・悪い点は後で述べます。

大三世代機兵が遠距離から敵を撲滅できて好きでした!

各主人公が搭乗する機兵には技を6個までセットできます。
最初から技は全部見えるので、写真はあまりネタバレにならないと思って載せました。
シナリオを進行する、敵を倒すことで貰えるメタチップ(経験値)でステータスや技を強化することも可能。
EP(MPのようなもの)をあまり消費しない低燃費の技を多くセットするか、強力な技を多くセットするかはプレイヤー次第です。
サポート系の技もかなり重要なのでバランスがなかなかに難しいです。でも悩んでる時間も面白い…!

この南ちゃんの立ち絵が尊い…

コマンドはアクション(攻撃)、移動、機兵修復(体力回復)、防御の4つから選びます。
防御でEPが回復するのが地味にポイントですね。敵を倒すことでもEPは回復しますが、時間に余裕があるときは防御で回復して強い攻撃の準備をします。
移動は青い線のところだけ歩けます。ただし第四世代機兵(飛行支援型)は飛んでいるので自由に移動可能。
ただし体力が低いので敵に近づき過ぎるのは危険です。

範囲攻撃をすると一気に敵を殲滅できます。これがマジで気持ちいい。
戦闘中はムービーが入らず、必殺技に大きなエフェクトがないので地味に感じるかもしれませんが、必要十分に作られている感じです。
操作性はめっちゃ良くて、ロードは皆無ですね。
画面はごちゃごちゃしていないけど、敵の猛攻にはハラハラドキドキします。やはりリアルタイムで進行していく戦闘はスリルがあって面白いです。
究明編

究明編は今までに起きた事実を振り返るモード。
各キャラクターが行動した内容が時系列ごとに説明されています。用語の説明もあってめっちゃ面白いです。
時系列がバラバラで重厚なシナリオですが、このモードのおかげで誰でもシナリオを楽しめるんですよね。
画面はシンプルながらめっちゃ見やすくて、複雑なシナリオを理解するのに重宝すると思います。私は終盤で小一時間じっくり見て、シナリオを整理してからクリアしました。
行動した内容の画面はネタバレになるので写真は控えます。

ホットドッグの用語の説明画面です。
用語の説明は最初アンロックされていて、戦闘を行うことで貰えるミステリーポイントを使って解除。説明を見ることができます。
登場した些細なものまでしっかり説明があるのが素晴らしい。テキストを読んでいると本当に丁寧に作られているなと実感します。
まさか一つ一つの用語をわざわざ説明してくれるとは…凄いゲームですね。
そしてめっちゃ美味しそう…!

おまけ。個人的に気に入ったヴァニラめし。
庶民的な肉団子の弁当がめっちゃ美味しそうです。日の丸のご飯、卵焼き、ひじきやお浸しなど独り身にはたまらない。
こんなお弁当作って貰えたら最高ですね…ずるい…

遊ぶだけでお腹が空く飯テロゲーム!
十三機兵防衛圏の感想
最初に述べたように「惜しい神ゲー」な部分を良い点と悪い点に分けて説明します。
基本的には大満足なので、悪い点は強いて言うならって感じです!
十三機兵防衛圏の良い点
重厚過ぎる神シナリオ

シナリオは100点満点です。もう150点くらいあげたいレベル。
13人の主人公、タイムトラベル、ミステリーという複雑なシナリオを矛盾なくまとめたのは、神がかり的なものを感じました…
ここまで重厚なシナリオにされると、面白いを超えて感動します。
こいつがあやしい…と思ったキャラが意外とまともだったり、まともなキャラでも記憶が混乱しているので悪いことをした可能性があったり、ミステリーとして見ても楽しいんですよね。
ゲーム史に残る最高のシナリオ、SFの物語として一流だと断言できます。
さらにループしたり戦闘を組み合わせたり、ゲームでしか味わえない体験にしているんですよね。
ちなみに社長が一人で3年間籠もって、スクリプトを書いたそうです。
それだけの長期間で作ったシナリオを味わえたことに感謝したい。心の底から遊んで良かったと思いました。

このゲーム最大の魅力はシナリオです!
魅力的なキャラクター

キャラクターは本当にみんなカッコいいし可愛いです。主人公13人はもちろん、サブキャラクターも含めて魅力があります。
しかもサブキャラが物語において重要な存在と匂わせるシーンもあり、各キャラの行動に目を離せません。
私は男性キャラだと焼きそばパン野郎の「比治山隆俊」。
女性キャラだとサブキャラの優しくてぽっちゃり体型の「沢渡美和子」が好きです。
どっちも食事シーンが多いので魅力的に感じるのかもしれません笑。
どのキャラも良過ぎるので、人によって一番好きなキャラはかなり分かれると思います。誰が人気なのか想像できません。
幻想的なグラフィック

主人公が住んでいる部屋の一枚絵。
これを見るだけで背景を丁寧に描き込んでいるのが分かると思います。こんな綺麗な部屋に住んでみたい…
手書き風の淡いグラフィックが優しい印象を与えていて、ゲーム内のどのシーンを切り取っても絵になるんですよね。
しかもこのレベルの背景が過去・現代・未来それぞれにたくさん用意されています。背景を見ているだけでも楽しいレベルです。

背景だけじゃなくキャラもいちいち動きます。焼きそばパンを食べるシーンをわざわざ用意するとは…作り込みの深さに感心。
こんな1シーンでも良い絵になるんですよね。シリアスシーンはもちろん、何気ない日常シーンまで楽しめる素晴らしいグラフィックです。
ヴァニラウェアの幻想的なグラフィックがあったおかげで、ここまで絶大な評価を得られたと思います。
グラフィックに関しても100点を超えるレベルで素晴らしいです。

このゲームの中の世界に住みたい…
シーンに適した良質なBGM
物語を盛り上げるのに重要なBGM。これも恐ろしいほど良いです。
最近発売のBGMが良かったゲームでは「ペルソナ5」が真っ先に思いつきました。
ペルソナはBGMがかなり主張してくる感じで印象に残りやすく、サントラを聴きまくるほど大好きです。
ペルソナに関してはBGMというより「曲」って感じですよね。
対して「十三機兵防衛圏」はそこまで主張はしないけど、その場面に最適な良質のBGMを提供してくれます。
どのBGMも一級品。メインテーマだけ貼っておくので、ぜひ聴いてほしい。
十三機兵防衛圏の悪い点
地味なRTSの戦闘

悪い点は一個だけです。唯一崩壊編の戦闘だけはちょっと微妙に感じました。
このゲームのRTSの戦闘は据え置き機では全く見ないので新鮮。しかも操作性は快適で爽快感もあって面白くはあります。
ただし敵である怪獣のグラフィックは赤や青のシンボルでしか表示されず、こっちの技の演出もほぼ無いので地味です。
上の写真のように画面が見やすいのは良いですけど、正直もうちょっと迫力が欲しいですね。
正直戦闘はアドベンチャーモードのおまけみたいな印象が否めません。
シナリオが面白過ぎるせいで、戦闘をさっさと済ませてシナリオの続きを見たい人は多いかもしれませんね。

戦闘に深みがないことも残念に感じます。
ストーリーを進めるだけなら第四世代型の「インターセプター」を連打していれば割と勝てちゃうんですよね。
そして第二世代型機兵は使えないことはないですが、特化型の他の機兵を使った方が殲滅力があって強いかなと。ただし耐久力が高くてシールドを張れるので長所もあります。
あとキャラの固有スキルによっては、第二世代型機兵に搭乗するキャラがいるときステータスが強化されるので、サポート面でも重宝します。
第二世代型機兵は死にキャラではないけど、他の機兵に比べたら劣るって感じです。
ストーリー以外の難易度の高い戦闘は用意されていますが、技が少ないため戦術は大体決まっています。
固定になりがちで単調に感じるかもしれません。私はあまりやり込む気になれない戦闘システムでした。
十三機兵防衛圏の総合的な感想

戦闘以外の要素は全て神ゲーです。断言できます。
戦闘が仮に60点のクオリティだとしても、シナリオだけでお釣りがくるレベル。シナリオには全く文句がないです。
しかも戦闘は不満はあるとはいえ、普通に面白いです。
私は今までに結構な数のゲームを遊んだり見たりしてきましたが、ここまで緻密に作り上げたシナリオは見たことがありません。
もちろん好みはありますが、このシナリオはSFでも番人受けすると思いますね。
さらに最高のグラフィック、キャラ、BGMがあります。ロードもほぼ皆無で操作は快適、遊んでいてストレスフリーでした。

いくらでも遊べちゃうゲームです!

ただし割とアドベンチャーゲームなので、ゲーム性を期待すると評価は下がるかもしれません。
アドベンチャーゲームとして見れば比較的自由度は高いですが、オープンワールドが好きな人からすれば誤差のレベルです。
ゲーム性や戦闘などを含めても、それを上回る圧倒的なシナリオの魅力がこのゲームにはあります。
シナリオを楽しみたい人には間違いなく最高峰のゲーム、それ以外の人でもほぼ確実に満足できるゲームです。
最後に、私のクリア時間は25時間程度。クリア時間だけ見るとボリュームが少なく感じるかもしれませんが、密度はヤバイです。
さらにクリアまで全くだれることなく、プレイ中はずっと続きが気になっていました。
私が自信を持っておすすめできる、遊んで絶対に後悔しないゲームです。
ぜひ最後まで遊んで一緒に最高のSFシナリオに浸りましょう。焼きそばパンを準備して、十三機兵防衛圏の世界へGOです!
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