はいどうも、ミニマル( @minimal005)です。
今回はPS4やスイッチ、PSVitaで発売中のアクションアドベンチャーゲーム
【嘘つき姫と盲目王子】
を丁寧にレビューしていきます!
本作を簡単に言うと、
絵本のような世界で、狼と人間の姿を使い分けながら、王子を導いてステージの攻略を目指すゲーム!

童話のような暖かい雰囲気が味わいたい人はぜひチェック。
今回の確認事項
【プレイ状況】
・エンディング到達済み(約5時間)
【ネタバレ情報】
・あらすじ
・登場する敵キャラクター
【非ネタバレ情報】
・中盤以降のシナリオ
目次
嘘つき姫と盲目王子のゲーム内容


ジャンル | アクション / アドベンチャー / パズル |
プレイモード | TVモード、テーブルモード、携帯モードに対応 |
CERO | 12才以上対象 |
プレイ人数 | 1人 |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
発売ハード | PSVita/PS4/ニンテンドースイッチ |
発売日 | 2018年5月31日 |
本当のわたしでは あなたに触れられない
『嘘つき姫と盲目王子』は、狼の化け物と、人間の王子を主役としたアクションアドベンチャーです。
プレイヤーが操作するのは、少女に変身する力を得た狼の化け物。異形の狼と少女の姿を使い分け、時に王子と協力しながら、森の奥にある魔女の館を目指します。風変わりな森を舞台にした謎解きアクション、絵本のように美しいビジュアル、異形と人間という異種族間の交流から生まれるドラマチックな物語をお楽しみいただけます。
本作にはステージスキップ機能が搭載されており、パズルやアクションが苦手な方も、気軽に物語を進めることができます。なお、スキップしたステージには再度挑戦することが可能です。
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どんなゲーム?

本作は狼の化け物と目の見えない王子が冒険をする2Dアクションアドベンチャーゲーム。
謎解きに便利な人間の姿と、敵を倒すのに最適な狼の姿を使い分けられるのが大きな特徴。基本操作は移動、ジャンプ、物を動かす、変身、王子に指示を出すの5つです。
2人で協力してステージを攻略していくのではなく、主人公の狼が先に敵を倒して謎を解き、盲目王子の手を引いてゴールまでサポートしてあげます。盲目王子は足手まとい要因として設定されているのが面白いです。

たまに王子に指示を出して謎解きに協力してもらう場面もあります。主人公がヒロインと手を繋いで進む、謎解きを2人で行うゲームなので「ICO」に近いかもしれません。
正直言うとゲーム性はそこそこで、シナリオが魅力のゲームです。
シナリオは全編を通して暖かいグラフィックの1枚絵に女性の朗読が入るという変わった構成。そのため「絵本の読み聞かせ」のような気持ちの良い体験が味わえます!
序盤のシナリオを丁寧に紹介

物語は闇深い森で1匹の狼が歌を歌っているところからスタート。この森は以下のような恐ろしい特徴を持っているため、人間は全く寄り付きません。
- 昼でも薄暗い
- 森の奥ほど闇が深い
- 魔女が支配
- 人食いの化け物が徘徊

不気味で怪しい森です。

そんな恐ろしい森にも関わらず、狼の美しい歌声に誘われて近隣の国の王子が毎夜通うようになります。王子の顔ニコニコですね。
人食いの狼は王子を最初食べてしまおうと思いますが、歌い終わった後に無邪気に拍手をしてくれる様子を見て取りやめることに。次第に王子の拍手を楽しみに歌うようになっていきます。
しかしここで問題。
もし自分が化け物だと知られたら、王子は怖がって2度と来てくれないはず。狼は王子が来てくれるのを期待する反面、姿を見られることを恐れるようになります…

人食いの化け物と人間ってトリコを思い出す設定ですね。
狼の願いとは裏腹に、王子は歌の主が気になって高い岩を登ってきます。
ここからのショッキングな展開はダイジェストでどうぞ!





王子めっちゃ可愛そう…
王子のことが気になっていた狼はお城の近くまで行くことに。すると、お城の兵士の立ち話で王子が幽閉されていることを知ります。
狼は王子の安否を確かめるため、王子に会いにいくことに!
ここから本編のチュートリアルが始まります。



狼は王子が失明していることに対して、森の奥に住んでいる魔女に治してもらおうと提案。そして自分が隣国のお姫様だと嘘を付きます。これがタイトルの「嘘つき姫と盲目王子」ですね。
しかし王子は失明している上に、自分を攻撃した化け物が怖くて森へ行くことはできません。
そこで狼は一旦魔女に自分の姿をお姫様に変えてもらい、再び王子の元へ戻って、2人で魔女の家に向かうことを考えつきます。
王子には後日また来ると告げて、魔女の家に直行です!

魔女は願いを叶えてあげる代わりに「契約者の一番大切なものを奪って結晶にして保存する」コレクターです。
そして狼の一番大切なものは「綺麗な歌声」。狼は頭を悩ませますが、王子を助けるために取引を了承します。
魔女はお姫様の姿では化け物が潜む森を抜けられないため、化け物と人間の姿を切り替えられるような魔法をかけてあげることに。そして月の光を浴びると狼の姿に戻ると忠告をします。

契約の代償に歌声を奪うのは童話の人魚姫っぽいですよね。
ここから再び王子の元へ。再びダイジェストでどうぞ。





ここから魔女の家に向かうため、森を抜ける本編が開始します。ちょっと長くなりましたが、ここまでに30分もかかりません!
自分が失明させた恐ろしい化け物だと隠して一緒に本人と冒険をする、何とも奇妙な物語です。
道中では王子に化け物だとバレそうになったり、他の化け物と出会ったりもします。ぜひ遊んでシナリオを楽しんで下さい!
ステージのギミック

ステージに関してはかなり普通でした。
スイッチを押して扉を開けたり、浮遊する足場を飛び越えたり、よくある横スクロールアクションです。
変わったアクションは狼に変身して敵を倒すことと、王子に指示を出して謎解きに協力してもらうことくらいですね。と言っても指示を出すのは中盤以降で、そこまで機会は多くありません。
あとはステージスキップ機能もあるため、ゲームが苦手な人でも物語を楽しめるようになっています。

簡単にステージのギミック紹介します!








敵キャラクター
ハリネズミみたいなやつ

横歩きする敵キャラクター。マリオで言うクリボーですね。
結構可愛いけど攻撃すると黒い血飛沫が飛びます。ちょっとグロいけど爽快感はあってなかなか良し。
カエルみたいなやつ

こいつ何なのかよく分かりませんが…たぶんカエルかな。
ぴょんぴょん飛んでくるちょっとうざい敵キャラクターです。長い舌とグルグルした目でだいぶ化け物っぽいですね。
イノシシみたいなやつ

横方向に突進してくる敵キャラクター。割と早くて初見殺しをしてくる厄介な敵です。
例えば上の写真だと1方通行なので詰みですね。突進モーションに入っている間に狼に変身して駆逐する必要があります。
オバケみたいなやつ


マリオで言うテレサみたいな敵キャラクター。最初は仲間かと思いましたが、後ろを向いていると近寄って攻撃してきます。気づかずゲームオーバーになりました…
ステージを進むためにはオバケの位置を上手いこと調整して石化させる必要があって、だいぶアクションゲームらしかったです。しかも見た目も可愛い!
鳥みたいなやつ

暗闇ステージに出る敵キャラクター。コウモリかもしれません。
飛んで近寄ってくるので地味に厄介。でもこのゲームは化け物に変身すれば無敵状態なので、特別強い敵がいるわけではないですね。
雪男みたいなやつ

人や石が触れると後ろに投げてくれる変わった敵キャラクター。直接的な攻撃はしてきませんが、高いところから落ちると死亡判定があるので投げてゲームオーバーになることがあります。
こいつを使って石を移動させるステージギミックは割と面白かったです。複数体がスイッチに向かって1つの石をポンポン投げるので、ピタゴラスイッチみたいでしたね。
ブタみたいなやつ

風を飛ばして進行を妨害してくる敵キャラクター。直接攻撃はしないし見た目は可愛いけど、吹き飛ばされて落ちるとゲームオーバーなので意外と怖い。
前述のオバケ、雪男、このブタは倒せないので厳密に言うと敵キャラクターではないかもしれません。

ボスキャラはネタバレになるので省きます。
嘘つき姫と盲目王子の良いところ
シナリオの表現

このゲームの魅力はシナリオの表現方法にあると思います。シナリオ自体は童話みたいにシンプルな内容ですが、それを綺麗な1枚絵と聞きやすい女性の朗読で伝えてくるのが素晴らしいです。
童話っぽいゲームで言えばPS2の「グリムグリモア」とか、PS4の「オーディンスフィア」(北米神話だけど)がパッと思いつきますね。フリーゲームだと「Alice mare(アリスメア)」かな。
上記のゲームよりもこのゲームは絵本に近いです。ゲーム性は控えめなので、実在する童話を超贅沢な絵本(ADVゲーム)に仕上げたような印象を受けました。
感受性が豊かな人や純粋な子供にはかなり刺さるゲームだと思いますね。本作でしか味わえないゲーム体験があるのは非常に好印象です!
童話風の世界観

手書き風で描かれたステージの背景や敵キャラクターのグラフィックなど、世界観が全て統一されています。
現代的なモノは何一つ登場せず、ポップな姿の化け物や悪どい魔女、優しい王子など、王道ファンタジー世界を巧みに表現しているのは素晴らしいですね。
他にはセーブやロード、ポーズ画面も地味だけど丁寧に作られていました。



ゲームとしてはメタっぽいところまで雰囲気を損なわないように作り込んでいるのは個人的にポイントが高い。制作陣の作品に対する愛が伝わるゲームは大好きです。
最後の戦いや終わり方も含めてまさに童話という感じ。雰囲気ゲームが好きな人には間違いなくおすすめのゲームです!
二人を見ていてほっこりする

狼の化け物も盲目王子もどちらも優しい性格なので、見ていて2人を応援したくなる気持ちが湧いてきます。登場キャラクターに感情移入できるのはADVゲームでは重要だと思いますね。
ステージ中にある花を拾って王子に渡すと、王子が嬉しそうに花を見つめるのがめっちゃ可愛かったです。あと頭に花のマークが浮かぶんですよ。
普通は可愛いお姫様が恐ろしい狼に変身するとか、勇敢な王子がか弱いヒロインを救うとかが定番じゃないですか。
本作はそれとは全く逆の構成。王道展開ながら二人を応援できたのは、この逆転した立ち位置のおかげで、新鮮な気分で楽しめたからかもしれません。
謎解きの難易度は低め

謎解きは問題文形式の直接的なものもあれば、二人でどうやってスイッチを押して進むかを問われる2Dアクションらしいものもあります。
これに関してはどちらの謎解きも割と簡単でした。強いて言うならスイッチを押すタイプで少し悩むくらいですね。
このゲームはコアなゲーマーが遊ぶような内容ではなく、童話のようなシナリオを楽しむのがメインのゲームです。そのため謎解きが低難易度なのは正解だと思いました!
嘘つき姫と盲目王子の微妙なところ
ゲーム性は低い

本作のシナリオを考慮せず、2Dアクションゲームとしてだけ見ると駄作です。ステージに変わったギミックはなく、敵キャラクターも明らかに少ない。長時間遊ぶと確実に飽きます。
つまらないことは決してないのですが、とにかく普通ですね。良く言えば王道の2Dアクションゲームの構成を律儀に守っています。
フリーゲームでもスマホゲームでも出来そうな内容なのは残念。でもシナリオを楽しむゲームならステージ構成はシンプルな方がいいかも。
女性や子供向けのゲームと考えると、一概に悪い部分とは言えませんね。
王子が邪魔

ゲームオーバーの大半は王子が敵に攻撃されるか、王子が落下の衝撃でやられるかの2パターンです。お姫様側がやられることは滅多にありません。
高所から落下した場合でも下にキノコがあれば衝撃死は回避できるシステムなのですが、王子の位置が微妙にずれていてゲームオーバーになることが多いこと…
ゲームオーバーになるとその場でやり直しではなく少し前に戻されるので面倒に感じました。失明した王子を連れていくゲームとはいえ、たまに王子にイラつく時がありましたね。
あと初見殺しがたまにあるのでリトライはもう少し快適にしてほしい。ちなみにPS4版ではロード時間は気になりませんでした。
クリア時間が超短い

このゲーム最大の欠点はすぐに終わること。私の場合は約4時間でクリアしました。これフルプライスのゲームですよ!
やり込み要素はゼロで、マルチエンディングでもありません。さすがに擁護できないくらいコスパが悪いゲームです。
正直クリア時間が短いおかげで、敵の種類の少なさやセーブデータの少なさ(3つ)、シンプルなステージが気になりませんでした。ゲームに飽きる前にゲームが終わります。

最近の日本一ソフトウェアのゲームはクリア時間に対して価格が超強気なんですよね。例えば「ロゼと黄昏の古城」は約10時間、「夜廻」は約5時間でした。本作は更に短いです。

そういうゲームと割り切って買うならともかく、初見の人が売れないダウンロード版で買っちゃうとかなりガッカリすると思います。
ただし内容は悪くないので、値段を気にしない人には全然おすすめできますね。
嘘つき姫と盲目王子の総評

世界観が上手くまとめられていてクオリティが高いゲームでした。BGMは数が少ないながらも素晴らしいと思います。
何よりの問題点はボリュームの少なさ。これをどう見るかで大きく評価が変わってくるゲームです。せっかくの良質なBGMが長時間聞けないのはもったいない。
優しめの難易度と絵本のような構成のゲームなので人は選ぶと思いますね。雰囲気が好きな人には最高に感じるし、2Dアクションを期待する人には微妙に感じるはずです。
絵柄かPVが気に入ったら間違いなく買い、気に入らなかったら止めた方がいいと思います。たまにはこういう変わったゲームを遊ぶのも面白いですけどね。
それでは、良いゲームライフを!
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