はいどうも、ミニマル( @minimal005)です。
今回は個人ゲーム開発者の「hako 生活」さんが開発したスイッチのADVゲーム【アンリアルライフ】の感想を丁寧に述べていきます!
本作はマルチエンディングを採用。プレイ状況は全エンディング済み、クリアまでは約6時間でした。

ガッツリ布教していきます!
大きなネタバレはないのでご安心を。
- 記憶喪失の少女とAI信号機が大活躍
- 触れたモノの記憶を辿るうちに真相を知る
- ドット絵と幻想的な雰囲気が魅力のADVゲーム
アンリアルライフのゲーム内容


ジャンル | キオクを読み取るアドベンチャーゲーム |
CERO | 12歳以上対象 |
メーカー | room6 |
価格 | 2,400円(税込) |
発売ハード | ニンテンドースイッチ(Switch) |
発売日 | 2020年5月14日 |
「アンリアルライフ」はステージ上にある謎を解いて進むオーソドックスな2Dアドベンチャーゲームです。
プレイする前からピクセルアート(ドット絵)とダークブルーの特徴的なグラフィックに引き込まれます…
タイトルを日本語に直訳すると「架空の人生」「非現実的な生活」ってところでしょうか。
私はこの字面と謎に満ちた世界観だけでワクワクが止まりませんでした!

ちょろいゲーマーです。
メインキャラクターは1人と1本
本作の主人公とパートナーは以下の2キャラ。謎に満ちたユニークな組み合わせです。
- 触れたモノの記憶を辿ることができる記憶喪失の少女ハル
- 高性能AIの無線式信号機195

ハルは記憶喪失のため謎が多い人物。
最初は自分の名前さえ分からず、195に教えてもらったほど記憶に欠落が見られます。
性格的には臆病で引っ込み思案タイプ。
ストーリーを進めると過去の記憶と思わしき映像がフラッシュバックしてくるため、断片的に人物像が判明してきます。

195は優秀なサポートキャラクター。
コミュニケーション機能が搭載されているため人と会話できる(厳密には脳内に会話情報を送信)のが特徴。さらにハルが見ているもの、話していること、脳の健康状態を知ることもできます。

能力も信号機も世界設定も最初は謎だらけ…
アンリアルライフの1分間で分かるあらすじ

物語はハルが交差点付近で倒れてしまったところからスタート。自称高性能AIの信号機195に声をかけられて目覚めます。
195はハルを保護者の元へ送る義務があり、帰るまで完璧にサポートしてくれるとのこと。
進むべき方向に矢印を表示してくれるため、指示に従って行けば基本的に何も問題はありません!



ポンコツAIをつかまされました…
こんな“自称”高性能AIのサポートを受けながら進んでいくと、道端に落ちている「青いクツ」を発見!
さっそく拾ってみます。

ハルが青いクツに触れると、何故か過去の記憶がフラッシュバックして頭を痛めます。
その後195がその映像を復元。再表示してくれることになりますが、表示された映像には…

本作における最大の謎「先生」が写っていました!
195はハルが見ているものを知る機能が備わっているため、この映像は“ハルが青いクツに触れたら、ハルの脳内に映像が流れ込んできた”ことになります。
試しに周りにある電柱に触れてみると電柱の記憶が再生されます。この結果を踏まえて195が導き出した答えは、超能力者の「サイコメトラー」です。

ハルには何故か「触れたモノの記憶を読み取る能力」が備わっているとのこと。ただし読み取れるモノもあれば読み取れないモノもあります。
この情報収集能力を駆使して、ハルと大きな関わりがありそうな「先生」の行方を追っていく物語です。
様々な登場人物と関わり、モノの記憶を辿るうちに以下のような伏線が次第に回収されていきます!
- ハルが記憶喪失&能力を保持している理由
- ハルに隠された過去
- ベールに包まれた先生の目的
- この世界の存在理由

サイコメトラーと高性能AIのタッグが先生の行方を追う旅を描いたゲーム。
モノの記憶を読み取る能力
能力は以下の3ステップで発動できます。



本作で最重要なモノの記憶の読み取り方はこのシンプル操作で可能です。
シナリオを読み進めるのに使うこともあれば、純粋な謎解きに使うこともありますね。ちなみに謎解きの難易度は割と低めかな。
能力の簡単な実用例として、次に進む場所を知るために自転車に触れるシーンを挙げます。


このシーンだと以下の2つの事実が分かります。
- 自転車の位置が現在と過去で変わっている!
- 過去に自転車があった場所にハシゴがある!
つまり現在と過去の差分から得た情報で謎を解いていくわけです。
他にはスイッチの入力手順をモノの過去の記憶から読み取ったり、分岐時に正解の道を知るために使ったりします。

設定を活かした面白いギミックです!
過去の出来事の振り返り

シナリオをちょっと進めると、195がテキストのバックログ、出来事の振り返り、触れたモノの記憶を再び見る機能などを追加してくれます。
この3つの機能はシナリオを整理するのに非常に便利でした。
一度触れたモノの記憶は暗記してくれるので、謎解き時にスクショを撮る手間が省けてストレスフリーでもあります。

見た目がお洒落で操作も快適です。
転送ドアを使ったファストトラベル

ステージには「転送ドア」が設置されていて、一度起動したドアは自由にワープできるようになっています。いわゆるファストトラベルですね。
ハルは移動が早くないので探索時には助かりました。ただしクリア時間が約6時間だったので使う機会は少ない…
ちなみにドアを使ってワープできる人物は限られています。一応ここにもシナリオの秘密が隠されているんですよ!

移動が面倒な人にはありがたい要素。
ほぼオートセーブ

本作の起動時には
「このゲームはほぼオートセーブです」
と微妙に謎の文章が表示されます。

ほぼってなんだ…
なんて思っていましたが、どうやら195が手動でセーブをしてくれている模様。
システム(メタ部分)とシナリオが絡んでいる設定は面白いですね。プレイヤー視点では実質自動セーブなのでゲームオーバーになっても安心です。
しっかりマニュアルセーブにも対応しています。


195が有能すぎる…
ミニゲーム(VOLTA)も搭載


ハルが住むお部屋のテレビではハイスピードシューティングバトルゲーム「VOLTA」がミニゲームとして遊べます。まさかミニゲームを入れてくるとは驚きです!
ゲーム内容は攻撃やワープなどの5つのカードをセットして戦うカードゲーム。隠しコマンドや二人対戦モードが用意されているほど丁寧に作られています。
ドット絵の不思議な世界観繋がりで「ゆめにっき」のNASUを連想しましたね。こういう遊び心があるゲームは大好きです!
アンリアルライフの良いところ
魅力的なキャラクターとユーモアのある会話

本作に登場するキャラのグラフィックや性格は個性が強くて魅力的でした!プレイ時間が短いにも関わらず、印象に残る素晴らしいキャラ達です。
具体的には以下のようなキャラがいます。不思議の国のアリスも顔負けのユニークでメルヘンな設定です。
- 頭がボックスの紳士な宿の支配人
- 水槽の形をしたお喋り好きなシェフ
- 図書館の警備員のウサギ
- 電車を運転するペンギンの駅長
- 195よりも高性能なAIの0(ゼロ)
どれも愛される性格な上に、活躍するシーンがしっかりと用意されています。何よりクスッと笑える会話でプレイヤーを飽きさせません。

他にも多彩なキャラクターがいるので期待して遊んで下さい。
幻想的な世界観

私がアンリアルライフで最も好きなところは「青を基調とした幻想的な世界」です !!
高性能AIが活躍するというSF要素もありながら、登場人物は動物や謎の生き物ばかりで童話のような雰囲気も漂います。
これに関しては、真相を知ると世界が不思議にできている理由が分かります。シナリオ上でしっかり謎が回収されるのが素晴らしい!

あとダークブルーとドット絵、若干のメタ要素などからは同じくADVゲームの「Oneshot(ワンショット)」を想像する人は少なくないかも?
別ゲーなので多くは触れませんが、世界の謎を解き明かすゲームとしては近いモノを感じましたね。
気になって調べていたら制作者のhako生活さんが本作の制作で影響を受けた作品を公開していました。勘は当たっているはず!
参考 制作者が影響を受けた作品アンリアルライフ公式サイト
Oneshotは無かったですね…
ゲームシステムをシナリオに取り込んでいる

先ほども言いましたが、セーブやバックログなどのシステム機能を、登場キャラの195が行うという設定が良いですね。しかも徐々に解禁されていくのが面白い!
ゲームである以上は仕方のない部分までシナリオに取り入れているので没入度がめっちゃ高かったです。地味なポイントだけど、雰囲気や世界観の構成には重要だと思いました。

私のツボを完全に押さえていました!
記憶がフラッシュバックする演出

シナリオを進めていると、少女の過去と思わしき記憶をチラッとだけ見ることができます。たぶん5,6回くらいかな。
演出がめっちゃ怖いけど、興味をそそって続きが非常に気になるんですよ!他にも画面がバグったり真っ赤になったり、視覚情報でプレイヤーを驚かせてきます。
もちろんホラーゲームみたいに化け物や幽霊に襲われることはありませんが、謎が多い世界なので若干メンタルにきましたね…
シナリオ上の謎の量が適切

本作は序盤から明らかに謎が多いシナリオで、謎が解明されることもあれば増えることもあります。そのバランスがほんと絶妙!
謎だらけでも、なんとなーくは分かるようになっているんですよ。
全く意味が分からないとプレイヤーのやる気を削ぐので、非常に良く出来たシナリオだと思いました。しかも

ええ、そういうことだったの!?
と思う予想外な展開が終盤にあってめっちゃ面白かったです。シナリオと演出がマッチしていてゲームに引き込まれましたね。
ハルが超可愛い


ハルが超可愛いヤバい。
あ、これだけです…
アンリアルライフの微妙なところ
テンポが悪い

テンポって表現でざっくりまとめましたが、具体的に言うと以下のような行動が少しだけ気になりました。
- 移動の遅さ
- ハシゴを登り降りする度に確認が入る
- 手間が若干かかる謎解き
と言ってもほとんどの要素が親切設計でシナリオもだれないので、強いて言うならって感じです。それにテンポを求めるゲーム性でもないですからね。

のんびりと焦らず楽しむのがおすすめ。
若干のボリューム不足

私が全エンディングに到達するまでの時間は約6時間でした。そして本作の値段は2400円(税込)です。
人によってコスパの感覚は変わりますが、私的にはクリア時間が10時間あると嬉しかったかな。ただしシナリオの密度は濃いので全く飽きない6時間って感じです!
対戦可能なミニゲームもあるし、真相を知った上でまた遊ぶのも楽しいと思います。気軽に遊べる丁度良いボリュームとも言えますね。

価格以上に十分楽しませていただきました。
アンリアルライフの総評

雰囲気ゲームが好きな私にとっては久々の神ゲーでした。
安易に神ゲーって表現は使いたくないですが、この作風のADVゲームでは神ゲーと言っても良いクオリティ、大満足のゲームです!
世界観とグラフィックは抜群に良くてキャラクターは魅力的。BGMはシーンに合ったヘンテコなモノからオルゴールのように切ないモノまであります。
何より良いのはシナリオと演出ですね。ここがしっかりしているのでADVゲームとして文句は無いです。

押さえるべきところはガチッと押さえてますね。

ボリュームに納得して買えば、ほとんどの人が満足できるクオリティだと思います。ただし謎が多い序盤や世界観が合わない人にとっては退屈かもしれませんね。
男女問わず勧められる名作、オタク受けは間違いなく良いゲームなのでぜひ遊んでみて下さい。個人的には一押しのADVゲームです!
それでは、今回のレビューはここらで終わります。最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。

良ければTwitterのフォローもしてもらえると嬉しいです。お疲れ様でした。
ミニマルおすすめの関連記事5選!




