はいどうも、ミニマル( @minimal005)です。
今回は日本一ソフトウェア制作の2Dホラーゲーム
【夜廻(よまわり)】
のSteam版をクリアしたので、感想を丁寧に書いていきます!
私はフリーホラーゲームが大好きで、子供の頃から深夜にこっそり遊んだり実況動画を見たりしていました。(こっそり遊ぶゲームの楽しさは異常!)
ホラーゲームの雰囲気や世界観ってマジで最高ですよね…。
例えば、ゆめにっきやIb、魔女の家あたりは個人的にたまらないものがあります。
そして↑のPVを見たときに脳髄にビビビっ!ときまして、すぐにこのゲームを買おうと思いました。
PVには心にグサッと刺さるこんな文章が書かれています。
- ここ、なにか、へんなのがいる
- ふと背後に感じる誰かの気配
- 夜の怖さを覚えていますか
- 暗闇に消えた、大切なものを探して
まさに私のために作られたゲーム…。
購入理由を言語化すると
「シンプルそうな操作性と退廃的な世界観、クォータービュー視点がフリーホラーゲームに近い!」
と思ったことですね。(何というか、フィーリングが合いました。)
そして実際に遊んでみると、商業作品だけあってクオリティが高過ぎる…!続きが気になってやめられない!
さすが日本一ソフトウェア、クソゲーも多いけど大好きです…
日本一ソフトウェアはPS時代からお世話になっています。いつも感謝。
夜廻はどんなゲーム?
- 見下ろし視点の2Dホラーゲーム!
- 謎解きよりも探索がメイン!
- 不気味な夜の街を歩く感覚が最高!
夜の街に漂う不気味さ、何か得体の知れない者が潜んでいそうな不安感は本作でしか味わえない体験です。
これを見ている人にもぜひ遊んで欲しい!
と謎の使命感に駆られたので、丁寧にレビューしますね。
今回の確認事項 【プレイ状況】 ・エンディング到達済み(約5時間) ・プレイしたのはSteam版 【ネタバレ情報】 ・簡単なゲーム内容 ・登場する敵キャラクター 【非ネタバレ情報】 ・謎解き ・終盤のシナリオ
夜廻のゲーム内容
ジャンル | 夜道探索アクション |
CERO | 15歳以上対象 |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
発売ハード | iOS/Android/PSVita/Switch/PC(Steam) |
発売日 | PSVita:2015年10月29日 PC:2016年10月25日 Switch:2018年10月25日 iOS/Android:2019年7月27日 |
基本的なゲーム性
本作はオバケが潜んでいる夜の街を歩き回る探索型ホラーゲーム。
オバケは倒すことができず、1発当たると即死になっています。
可愛いグラフィックとは裏腹にシビアな仕様!
探索中にできることはシンプルな以下の5つです。
- 移動
- 平行移動
- ダッシュ(ゲージが切れるまで)
- 物陰に隠れる
- アイテムを使う
オバケは少女が持っている懐中電灯を照らすと現れる者もいれば、常に画面上に表示されている者もいます。
あとオバケが近くにいると心臓の鼓動が早くなって音で分かる仕様です。
そのため、イヤホンをして遊ぶのがおすすめですね。
姿は見えないけど音で近くにいるのが分かって超怖いです…。
もしオバケに遭遇したら、物陰に隠れてやり過ごしたり、ダッシュで回避したりして、進んでいきます。
敵に見つかっていても隠れられますし、隠れ中は無敵です。
この赤いモヤがオバケが居る箇所です。写真だと2体いるのが分りますよね。
隠れながら位置が分かるのはかなり親切設計!
赤いモヤが遠かったら隠れるのをやめて再び探索を続けます。
アイテムはゴミ袋を漁ったり、マップ上の光っているところを探索したりすると、入手できます。
ざっくり以下のようなものがあります。
- 小石(投げると音を鳴らせる)
- 十円玉(お地蔵に備えてセーブ)
- マッチ(光や熱を発生させる)
- どうぶつのエサ(動物の気を引きつける)
小石やマッチは特定のオバケを回避するために使えるアイテムです。
例えば、耳が敏感なオバケの近くに小石を投げたり、光に寄るオバケの横にマッチを投げて回避します。
装備品みたいに持続効果のあるアイテムがないか期待しましたが、残念ながらありませんでした。
次回作の「深夜廻」には装備品のお守りがあります!
慣れるとアイテムを使わずにオバケを回避できます。
あらすじやシナリオ
公式サイトに書いているあらすじは以下の通りです。
幼い少女は、飼い犬と散歩していました。
しかし、
彼女の不注意によって犬は事故に合い、
どこかへいなくなってしまいます。からっぽのリードを引いて帰ってきた彼女を見た姉は、
犬を探しに外へ飛び出していきました。ひとり残された少女も遅れて家を出ますが、
公式サイト
そこに広がっていたのは、
見知った昼間とまったく異なる不気味な夜の街でした……。
要約すると、少女の不注意で事故に遭った犬と、それを探しに行ったっきり帰らない姉。
この1人と1匹を見つけるために夜の街を探索するというお話です!
最後まで一貫して姉と飼い犬を探すという、メインシナリオは非常にシンプルな構成になっています。
事故に遭った飼い犬の姿が気になる人は多いのでは…。
ゲーム中のテキストはかなり少なくて、最後の方は考察の余地がある部分もありました。
ゲーム内では多くを語らない系のゲームですね。
オバケにも物語がある(1シーンを紹介)
本作で登場するオバケには過去や設定がある者もいます。
どんなオバケか紹介するので、若干のネタバレはご了承下さい。
例えば探索中に見つけた看板を見ると「わかいじょせいがゆくえふめいになっています。」との記載があります…
これ絶対出るやつです。
いやもうテキストだけでめっちゃ怖い。正直ここでやめたい。
でも勇気を振り絞って不穏な雰囲気がする中を進んでいくと…
こっちが助けてメンタルが殺される…
やっぱり出ました…(泣)
演出がめっちゃ怖いっす。無理です。
ダッシュで逃げます!
こんな感じに私はあっけなく殺されたわけですが、実は女性のオバケと出会う前に「ちぎれたネックレス」を入手できます。
そして女性のオバケは「返して」としきりに叫んでいて、この先には立ち入り禁止の危険な崖があり、捜索が難航していることが掲示板に明記されているんですよ。
つまり彼女は生前に崖から飛び降りた可能性が高くて、誰からも見つけて貰えずにいる。
そして何かを欲していると…
オバケにもあっさりですが物語があり、それが謎解きにも繋がっているのは面白かったですね。
全く正体不明のオバケよりも、少し背景が分かっている方が怖い!
本作は全7章構成で、1章が終わると少女の日記という形でおさらいと次の目的が分かります。
セリフや説明はほぼ無いけど、少女がその時どう思っていたのかが判明して面白いです。
日記も短いからこそ想像が膨らむんですよ。ほんと良くできたゲームです!
シナリオ関係はこんな感じですね。
オバケについて
街を探索していると色々な種類のオバケに遭遇します。
一体一体紹介しているとキリがないので「ざっくりこんなのがいますよー」って写真をどうぞ。
恐怖に怯えながら、戦場カメラマンのごとく頑張って撮影しました…
写真はタップすると大きく表示できます。
どれも奇妙な姿をしています。
小型のオバケ10体
大型のオバケ
こいつらを上手く回避して進んでいくゲームです!
中には死亡判定は無いけどプレイヤーをただ驚かせてくるオバケもいます。
急に出るので、マジで「ビクッ!」ってなりますよ。
この3体にビビり過ぎて寿命が1年は縮みました。
探索について
コンセプトが「夜の街を歩き回る」ゲームなので探索がかなり面白かったです。
ここは期待通りのクオリティでした!
本作には住宅街や商店街、田んぼ、学校、工場、墓地など幅広いマップが存在します。
どれも誰もが行ったことがある場所ばかりで、日常の中にオバケという非日常が潜んでいるのが大好きですね。
と言っても一つ一つのマップは小さく、3Dの綺麗なグラフィックってわけじゃ無いので、評価は分かれると思います。
それでも、じんわりとした良さは感じられますよ!
探索好きにはたまらないゲームです。
マップの左上に現在の目的が書いているため迷うことは少ないです。
探索メインのゲームでこれは非常に親切。(写真では、たんぼのほうをさがしてみよう)
あとセーブポイントのお地蔵さんに触れると、他のお地蔵さんにワープすることもできます。
ファストトラベルを備えているのは、マジでありがたかったですね。
探索をしていると消費アイテムではなく、コレクションアイテムを入手することもあります。
一種のやり込み要素で、夜廻の背景設定を知るためにも重要です。
しかもアイテムの説明が書いているので、集めるのはわりと楽しい。
ただし、収集にはランダム要素があって運が絡むのが難点かもしれません。
一例として、写真の「ふこうのてがみ」はポストに出すとまた返ってくる謎のコレクションアイテム。
なんか意味あるのか…と思って何回も出していたら「ひみつのてがみ」に変化して戻ってくることがありました。
説明が無いので分かりにくいけど、遊び心があって私はこういうのは大好きですねw
手紙の内容は実際にプレイして確かめてほしい。
すなばにあるスコップを入手すると、各地に埋まっているアイテムを掘り出すことができます。
そのため、スコップは早めに入手しておいた方が良いですね。
本作においてアイテムの重要度はかなり低いですが、コレクションアイテムを収集したい人は積極的に掘りましょう。
私は中盤まで取り逃がしていました…。
謎解きについて
ホラーゲームで切っても切り離せない楽しい要素は「謎解き」ですよね!
フリーホラーゲームの名作で言うと「青鬼」や「殺戮の天使」も、適度な謎解き要素に夢中になっている間にゲームにハマる節があると思います。
探索メインのゲームなので謎解きにも期待していましたが…
意外と謎解きは少ない!
ちょっと残念かも…
謎っぽいところのほとんどは、カギを拾ってくるか、テキストの指示に従えば大丈夫でした。
あとは近くを探索していれば詰まることはないですね。
強いて言うならアイテムを使って回避するオバケの対処を考えるくらい。
正直言うと、謎解きにはあまり期待しない方が良いです。
メインは探索と割り切ろう!
夜廻の良いところ
遠回りして進める
本作特有の要素で私が面白いと思ったのは、オバケがいたときに遠回りして回避できるところです!
どう言う事かと言うと、普通のホラーゲームだと目的地の前に敵がいたら嫌でも進まなきゃいけませんよね。
「怖いから進みたくないけど、進まなきゃいけない…」みたいな感じです。
ここを通らなきゃゲームが進行しないのか(絶望)
でも本作のマップは道がいっぱいある「街」なので、ちょっと遠回りをすれば目的地にたどり着けるんですよ。
これって斬新だと思いませんか?
ホラーゲームでありながら恐怖を回避できる。
でも遠回りした先にもオバケはいるかもしれない…
ここはプレイヤーの心理が試されると思いますね!
ノスタルジックな雰囲気
ホラーゲームに抱く感情ってグロい、キモい、怖い、悲しい、恐ろしい、おどろおどろしいみたいなマイナスの感情が多い気がしています。もちろんその刺激が面白い部分でもあるんですけどね。
でも本作を遊んで一番強く抱いた感情は「懐かしい!」でした。
哀愁に満ちた雰囲気がひしひしと伝わってきて、じんわりとした面白さを感じます。
その理由の1つとして、流れる音が「落ち着いた環境音」「心臓の鼓動」の大きく2つで構成されているからだと思います。
街の作りも音も誰もが馴染み深い自然なモノになってるんですよ。
雰囲気作りが抜群に上手いゲームです。
夏の終わりの寂しさみたいなモノが本作の作風にはありました。
めっちゃ怖いゲームでもないので、雰囲気ゲームが好きな人にはイチオシですね。
愛着の湧くオバケのデザイン
ホラーゲームにおいて敵キャラクターのデザインは恐怖度に密接に関わるので、ひっっっじょうに重要です!
それを踏まえて、本作のオバケのデザインは怖いというよりは、得体の知れない不気味さがあって秀逸だと思いました。
デフォルメされているので、怖いけど怖過ぎない丁度いい感じです。
幽霊や妖怪じゃなくマイルドな「オバケ」なんですよね。
正直ちょっと可愛さすら覚える、キーホルダーとか出たら欲しいやつですw
しかもオバケはたくさん種類がいるので、探索時にワクワクしました!
どんなオバケが待っているんだろう!
夜廻の微妙なところ
急な即死が辛くて面倒
探索をしていると、突然現れて素早く走る厄介なオバケがいるんですよね。
出現頻度は高くないとはいえ、これは萎えるからやめてほしかった…
一応本作は親切設計なので、ゲームオーバーになってもちょっと前の場所で自動リスポーンする上に、死亡前に入手したアイテムは持ち越せる仕様です。
でも同じ場所に歩いて戻るのは正直面倒!
また同じ敵が突然現れるかもしれないのでのんびりできません。
初見殺しが特別嫌いなわけじゃないんですが、理不尽にゲームオーバーになるのは嫌でしたね。
数回程度ですがちょっと残念です。
アイテム発見が分かりにくい
探索をしていると、少女の上にはてなマークが表示される時があるんですよ。
その条件は以下の3通りです。
- 近くにアイテムがある時
- 近くに隠れ場所がある時
- 近くに調べられる箇所がある時
全部同じで分かりにくい!
どれも同じはてなマークで表示されてしまうので、アイテムを発見したと思ったら隠れ場所だったり、既に終わった探索箇所だったりで、少しガッカリ…
できればアイコンを分けてほしかったですね。
特に隠れ場所はゲームオーバーに関わる重要ポイントなので、別アイコンで表示するべきなのでは。
ストレスのないホラーゲームは無い気がしますが、気になったので一応書いておきました。
既プレイの人は共感してくれるかも。
ボリュームが少ない
最大の問題点はボリュームの圧倒的な少なさですね。
私のクリア時間は5時間程度。やり込み要素のコレクションアイテムがあるとはいえ、さすがに少な過ぎます…。
フルプライスなので次のマップや新しい展開が待っているのかと思いきや、あっさりとクリアしちゃいました。
え、もう終わり?
元々のPS Vita版は税込6,458円。大作ゲームも買えちゃう額でこのボリュームは厳しい。
単体で見た時の適正価格は2000円程度だと思います。
ただしスイッチ版の「夜廻と深夜廻 for Nintendo Switch」は続編もセットで収録しているため、ボリュームは心配ないです。深夜廻は本編クリアまで約10時間、本作以上に収集要素があるので!
Steam版とスマホアプリ版は約2000円なのでコストパフォーマンスは悪く無いです。
そのため、今から買う人は普通におすすめ。私はSteamのセール時に購入したので満足です。
夜廻の総評
トータル評価 | |
シナリオ | |
世界観 | |
システム | |
音楽 | |
ゲーム性 | |
ボリューム |
値段を気にしなければ十分に良質なゲームでした!
ホラーゲームの怖さは最初がピークなので、シンプルな操作性とサクッと遊べるボリュームは良い側面もありますね。
私はストーリーも割と好きですが、基本的には姉と飼い犬を探索するだけなので評価は普通くらいです。
「探索ホラーゲーム」の字面に惹かれた人が買うと満足度は高そうで、他の要素に期待した人は微妙に感じると思います。
コスパを考えると「うーん…評価を迷う…」って感じですが、純粋に面白いか面白くないかと言われれば、面白いです!
この記事を執筆時点で続編の「深夜廻」をプレイ済みで、深夜廻はネットの評価も高く、個人的にも正当進化の素晴らしいゲームだと思いました。超意外なメタ要素も含んでいます。
そのため、本作を前座としてとりあえず遊んで、余程合わない限りは続編までプレイするのをおすすめします!
ストーリーに繋がりはないとはいえ、本作を遊んでいるとニヤッとする要素はあるので。
「夜廻」単体で見ても満足度は高いので迷ったらサクッと遊んでみて下さい。
ホラーゲームは実際に遊ぶと怖さが実感できて超面白いです!
実況動画で見るのは楽で面白いけど、プレイする臨場感は最高だなとしみじみ思ったり…
それでは、今回のレビューはここらへんで終わります。
長文になりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!