雑記ゲームブロガー!
ミニマル(
@minimal005)です。
最近、泣けるシナリオのエロゲーを遊んでないなぁ…。
感動できて、雰囲気が良くて、そんな思い出に残る名作に出会いたい!
先日、こんな人にイチオシのエロゲー『白昼夢の青写真』を約16時間で完全クリアしました。(CG回収率100%)
プレイ前はレビュー記事を書くつもりはなかったのですが、「これは同士と共有したい!」と思ったので、非ネタバレでレビューしますね。
先に結論を言うと、現代・過去・近未来・未来の全てを舞台にしたSFストーリーがマジで面白すぎるので、1ミリでも興味を持ったら、即遊ぶべき名作ですよ。
私は綺麗な絵に惹かれて、軽い気持ちでプレイしました。
しかし予想を遥かに超えるガチなシナリオゲームで、本作を見逃さなくて心の底から良かったです…!
・3つの独立した物語+総合する1つの物語で構成される特殊なADVゲーム
・前半は文系が好きになる情緒的なシナリオ
・後半は理系が好きになるSFシナリオ
今回レビューするゲームはこちら
ディザームービーはこちら
白昼夢の青写真は3つの並行世界が1つに集約する物語
白昼夢の青写真は、美少女ゲームブランド「laplacian(ラプラシアン)」が発売した、ちょっと変わった構成・シナリオを持つエロゲーです。
時代、舞台、テーマが異なる3つの並行世界「CASE1〜3」のストーリーを読み進めていき、最終章「CASE0」で集約されるSF作品になっています。
まずは各内容を簡単に紹介すると、以下の通りですね。
(※詳細はスクショ付きで後述)
【CASE1】
時代:2016年(現代) 舞台:神奈川県の学校
45歳の夢を諦めた非常勤講師と、大人びた文学少女との、背徳的な不倫の物語
【CASE2】
時代:1595年(過去) 舞台:イギリスの劇団
酒場を営む貧しい青年作家と、女優を夢見る貴族の女性との、身分を超えた恋愛譚
【CASE3】
時代:2061年(近未来) 舞台:学校やガレージ
不登校児の生意気な高校生と、教育実習生の脳天気な大学生との、ひと夏の淡い恋物語
【CASE0】
時代:??年(未来) 舞台:謎の真っ白な研究室
記憶喪失の男性が、自我を失った少女やアンドロイドと共に、CASE1〜3の夢を見ている
この時点で、
「4つもストーリーがあると理解するのが大変そう!」
「文字を読むのが苦手だから、面倒で投げ出しそう…」
と思ったかもしれません。
しかし、CASE1〜3は独立した短編シナリオ、SF要素のあるCASE0は最後に読み進めるため、ADVゲーム初心者でも飽きずにクリアできる仕様になっていますよ。
私も最近は熱心にエロゲを遊ぶことはありませんが、本作は夢中になって一気にプレイしました。
CASE1〜3の前編→後編→CASE0の順番にプレイ
次に物語の構造が特殊になっており、以下の順番でCASE0〜3を読み進めていきます。
- ①ランダムに選ばれたCASE1〜3の前編を読み進める
→途中でCASE0のエピソードが数回入る
→1つの前編が終わると、次のCASE1〜3の前編が開始 - ② CASE1〜3の後編を選択して読み進める
- ③ CASE1〜3が全て終わると、CASE0が開始
この順番の理由は真相編のCASE0で判明するのですが、シナリオの完成度の高さに驚愕するはず。
さらに、「CASE1〜3は前フリだから盛り上がりに欠ける」なんてこともありません。
それぞれが独立した2〜3時間の短編シナリオなので、綺麗にまとまったストーリーをテンポよく読み進めることができますよ。
3つの短編を前後編で分けて、最後には1つの中編に収束する。
この物語の構成には納得する理由があります!
白昼夢の青写真のCASE1〜3のレビュー
それでは、CASE1〜3のストーリーを非ネタバレでレビューしていきますね。
CASE1は文学的で全体的にシリアス
CASE1は、45歳の非常勤講師「有島芳」と、教え子の文学少女「波多野 凛」との背徳的な不倫の物語です。
これだけでは分かりにくいので、以下の簡単なあらすじをどうぞ。
【CASE1:あらすじ】 大学時代の有島は、作家を夢見て執筆活動をする青年。 しかし、後の大ヒット作家となるゼミの先輩「波多野秋房」との才能の差に絶望して、それ以来筆を折ります。 ある日、大学時代の教授の告別式に行くと、自分の勤め先の学生と挨拶を交わすことに。 その学生は偶然にも、夢を諦める原因となった波多野秋房の娘でした。 有島は、儚くも妖艶な彼女から「あなたの書く文章を、私は読みたい」と真摯に言われたことがきっかけで、逃げていた過去と再び向き合います。 波多野秋房の自殺の意図、女生徒との不倫関係、冷めきった夫婦関係への諦めから、「生と死」「夢と現実」と向き合う2人の日常が描かれます。
上記あらすじの通り、CASE1は現実的で共感を生みやすいストーリーです。
「国語教諭×文学少女」「作家への憧れと現実問題」と言ったテーマを扱っているためか、2人の心理描写が痛々しいほど繊細に描かれており、退廃的な雰囲気の近代文学作品といった印象ですね。
ライトなエロゲユーザーにもおすすめできる内容で、
- 幼さが残るヒロイン視点から感情移入しやすい
- 共感を生みやすい時代、舞台、シナリオ(現代、学校、夢、現実など)
- 背徳的なエッチシーン(足コキや疑似レイプ)
このように、エロゲには真面目過ぎる純文学的な要素と、「それなんてエロゲ?」と言いたくなる背徳的な要素が詰まっています。
クリア時間は2〜3時間程度。
シリアスなストーリーが多少苦手でも、試しに読んで見る価値はありますよ。
CASE1のオープニングテーマ『クラムボン』
CASE2は王道かつ完成度の高いサクセスストーリー
CASE2は、偉大な劇作家「ウィリアム・シェイクスピア」と、貴族の女性「オリヴィア・ベリー」が、寂れた劇団を成功へと導く物語です。
舞台は、1595年・イギリス・エリザベス朝演劇全盛期。
時代背景として、女性が舞台に立つことは硬く禁じられています。
では、あらすじをどうぞ。
【CASE2:あらすじ】 主人公のウィリアムは、盲目の父親と酒場を営む青年。 「完全記憶」の才能を活かして、客から聞いた話を脚本へと仕立て、劇団に販売していました。 ある日、彼は父親に鹿肉を食べさせるため、貴族の庭から鹿を盗むことを決断。 意を決して忍び込みますが、呆気なく捕まってしまい、主の男性から処刑宣告を受けます。 しかし主の婚約者「オリヴィア・ベリー」は、彼の作家としての才能に気づき、「自分が座長を務める劇団を存続させれば命を助ける」と提案。 実質的に選択肢のないウィリアムは、奴隷として、劇作家の活動を本格的に開始します。
序盤には「貧困」「宗教弾圧」といった辛い現実が描かれており、時代故の不条理さを感じる暗いシーンも多々あります。
しかし、ウィリアムが困難を乗り越えて成長する姿、それを乗り越えた先に芽生えるオリヴィアとの愛など、王道の青春ジュブナイルと言えますね。
さらにCASE1とは対極的なシナリオで、具体的には以下の4点が異なります。
CASE2 | CASE1 | |
---|---|---|
テーマ | 近代のイギリス文学 | 現代の日本文学 |
ストーリー | 情熱的・コミカルな成功物語 | 退廃的・シリアスな恋愛物語 |
主人公 | 童貞の活力ある青年 | 既婚者の冴えない中年 |
ヒロイン | 男勝りでグラマーな貴族の女性 | 儚くも妖艶な女子高生 |
日本人受けの良いヒロイン像はCASE1寄りだと思いますが、負けず劣らず魅力的に描いているのが本作の凄いところ。
ヒロインの魅力を具体的に挙げると、
- CASE1「大人びた少女がたまに見せる年相応の幼さ」
- CASE2「強気な女性が過酷な場面で見せる弱さ」
といった感じかなと。
シェイクスピアの名作「ハムレット」「ロミオとジュリエット」を作中のキャラクターが演じるので、こちらも文学好きの人には受けが良いと思いますね。
CASE2のオープニングテーマ『冷たい壁のむこうに』
CASE3は明るく淡いひと夏の青春物語
CASE3は、不登校の高校2年生「飴井カンナ」と、教育実習生「桃ノ内 すもも」との、ひと夏の恋愛青春物語です。
時代設定は、2061年の近未来。
laplacianの前作「未来ラジオと人工鳩」で起きた事件「人工鳩の電波喰い」によって、通信網が絶たれた世界が舞台となっています。
ただし直接的なストーリーの繋がりはないので、携帯電話やスマートフォンが無い世界とだけ思っておけばOKです。
【CASE3:あらすじ】 カメラマンだった亡き母親の代わりに、数十年に一度現れるハレー彗星を撮影しようと行動する「飴井カンナ」。 彼は学校に行かず、母親との思い出が詰まった動かないキャンピングカーを自分の部屋にして暮らしています。 ある日のこと、教育実習生「桃ノ内すもも」が自宅ガレージに来訪。 学校に登校するようお願いされますが、追い返して、その夜もキャンピングカーで眠ります。 懐かしい揺れと温もりによって目覚めると、何故かすももに抱きしめられたうえに、故障した車が走っているという謎の状況に…。 運転席にいた自称スクラップハンター「松風 梓姫」からハンドルを奪い、梓姫のアジトに激突して炎上。 住まいが無くなった梓姫に「夏の間だけ自宅ガレージに住ませろ」と言われ、カンナは車の修理を条件に承諾します。 その後はすももが暇つぶしに訪れるようになり、2人の年上女性に翻弄されるカンナの新しい日常が始まります。
高校生と大学生のモラトリアムがテーマになっており、物語の中心は笑える日常パートと将来の夢への葛藤です。
幼く生意気な主人公が、カメラマンの夢を追うことで成長する姿。
それを隣で見て、「本当にやりたいこと」と向き合うヒロイン。
恋に落ちる過程も自然で、王道設定ながらドキドキ・ワクワクさせてくれますよ!
夏が終わると接点が無くなる3人が、残り時間を大切にしながら過ごすシーンは、定番ながらグッとくるものがあります…。 CASE1,2のような「逆境を乗り越えた先にある感動」も良いですが、CASE3は「祭りの後の静けさ」を感じる切なさを備えていますよ😢
CASE3のオープニングテーマ『恋するキリギリス』
CASE0は精巧に練られたSFストーリー
CASE0は公式サイトのあらすじで、「世界と呼ばれた一人の少女の物語」と題されています。
ただし紹介すると真相に迫ってしまうので、プレイ時の楽しみにとっておきましょう。
時代・舞台・設定の異なるCASE0〜3において、全ヒロインが「ロングの白髪」という共通点を持つ理由がヒントになるかもしれません…!
CASE0のオープニングテーマ『Into Gray』
白昼夢の青写真の良いところ・微妙なところ
1本で4ジャンルが楽しめるコスパの良さ
本作は現代、中世、近未来を舞台にした3つの全く異なるストーリーが、最後の未来編CASE0に収束するという形式です。
これだけ見ると、「CASE1〜3は伏線が貼られる前座のシナリオだろうな」と勘違いするかも。
しかし、それぞれが単体で完結する高クオリティのシナリオです。
普段は遊ばないジャンルを体験する良い機会になるうえに、期待を超える中編SFシナリオが用意されているため、ボリューム以上の満足感を味わえますよ。
絵柄やあらすじを気になった人が「1つのシナリオも刺さらなかった」なんてことはほぼ確実に無いので、本作が軒並み高評価な理由にも納得いきました。
各シナリオに専用のOP/ED/BGMが用意されているため、オムニバス形式のゲームとして丁寧な作りです。
短編で空き時間でも読み進めやすい
オムニバス形式のメリット・デメリットとして、「短編で飽きずにサクッと読める」「長編がないため、感情移入や大きな感動をしづらい」という点が挙げられます。
しかし本作のCASE0は中編でありながら、短編のCASE1〜3も関係してきます。
そのため、「実質的な長編で満足度が高いうえに、1つの物語はサクッと読める」という素晴らしい構成だと思いました。
CASE1〜3の前編をランダムに、後編を自由に選択して読み進めるシステムのため、自分の好きなシナリオを最後に取っておけるというのも良いですよね😌
普段から小説やADVゲームに触れている人だけでなく、「最近ADVゲームを遊ぶのが面倒だな」と思う人にこそ遊んで欲しい名作です。
雰囲気や世界観が一級品→BGMが良い
短編でも世界観に引き込まれる最大の理由として、BGMのクオリティが圧倒的に高い点が挙げられます。
ここに関しては試し聴きするのが一番なので、公式がアップロードした上記動画「COMPLETE SOUND COLLECTION」を適当に飛ばしながら聴いてみましょう。
BGMが良いゲームは、それだけでも満足度が高いですよね。
さらに本作は、「緻密な心理描写+綺麗なグラフィック+透明感のあるBGM」が組み合わさった素晴らしいADVゲームです。
あくまでもシナリオのためのエッチシーン
エッチシーンは合計17個で、幾つかはクリア後に解禁されます。
しかし全体的に短めで、イチャラブ系がメインなので、実用性は高くありません。
これはクオリティが低いというよりも、「あくまでもシナリオを盛り上げるためのエッチシーンだから」という印象です。
もちろんヒロインに魅力はあるので、妖艶な文学少女との背徳的なエッチ、性欲の強いグラマーな女性とのエッチなど、過度に期待しなければ十分とも言えますね。
シナリオ重視の非抜きゲーであることを理解したうえで、エッチシーンを満喫しましょう。
クリア後におまけのHシーンが追加される点は好印象でした。
それに、エロ無しでも満足度の高いゲームですよ。
白昼夢の青写真はFANZA版がおすすめ(ブラウザでプレイ可能)
白昼夢の青写真はDMM(FANZA)で独占配信中のフルプライスゲームのため、値段はちょっと高めです。
各サイトの値段は以下の通り。
FANZA版はスマホやタブレットでもプレイできる「美少女ゲームブラウザ版(β)」に対応しているため、快適に遊びたい人はこちらがおすすめです。
エロゲを寝転がって遊べるのは最高なので、この機会に利用してみるのもありだと思います 😌
それでは、最後まで読んでくれてありがとうございました。
個人的には近年でイチオシのエロゲーで、ネットでも軒並み高評価のゲームです。
少しでも気になった方は、プレイする価値があることを保証します!
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